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78JIS [JIS78] 字形 73-28「藜」の誤字形について
78JIS [JIS78] 字形の「藜」(区点73-28)の誤字形について、『JIS漢字字典』(増補改訂含む)では、「78誤」として、「第一次規格(78JIS)の正誤票で誤とされた字形で、誤字形であったもの」とされています。(p.xviii 注記筆者)
また、97JIS規格票 附属書7(参考)「区点位置詳細」でも、「第一次規格(78JIS)規格票第1刷の字体を、1978年11月刊行の正誤票が誤として訂正したもの」と記されています。(p.303 注記筆者)
これらでは、具体的な字形が示されていますが、Adobe-Japan1 文字セットでは、グリフが異なっています。
すでに知られたことかも知れませんが、記録のために書き記しておこうと思います。
具体的には、『JIS漢字字典』、「区点位置詳細」で示された字形には「ひとやね」があり、Adobe-Japan1 文字セットのグリフには「ひとやね」がありません。
(ちなみに、ISO IR 42 (Japanese Standard JISC 6226-1978) にも「ひとやね」はありません)

(左) 『JIS漢字字典』(初版)p.572
(右)97JIS規格票 附属書7(参考)「区点位置詳細」p.303

(左)Adobe-Japan1 (CID7861) 例示書体は小塚明朝VI-R
(右)ISO IR 42(P.3.140)
では実際に、78JIS規格票第1刷では、どうなっているのでしょうか。
78JIS規格票(JIS C 6226:1978)第1刷で具体的な字形が示されているのは、以下の3カ所です。
・表1 図形文字用符号表
・附属書2 漢字の分類と配列
・参考 字形索引
このうち、1978年11月の正誤票で訂正されたのは、「表1 図形文字用符号表」と「附属書2 漢字の分類と配列」です。
これらには、「ひとやね」はありません。
念のため、1978年11月の正誤票、1981年3月の正誤票(追加)も確認しましたが、ここでも「ひとやね」はありません。
以上のように、78JIS規格票(JIS C 6226:1978)第1刷の誤字形には「ひとやね」が無く、Adobe-Japan1 文字セットのグリフの方が正しいことがわかります。
(ISO IR 42 は78JIS規格票「表1 図形文字用符号表」を元にしているようです)
このことから、当サイトでは、「藜」(区点73-28)の誤字形を Adobe-Japan1 のグリフで表しました。
ただ、どうしてもわからないことがひとつ。『JIS漢字字典』(増補改訂含む)およびJIS X 0208:1997(97JIS)規格票 附属書7(参考)「区点位置詳細」で示された字形がどこからコピーされたものなのかです。「区点位置詳細」を読む限り、「藜」の誤字形は、第1刷以外ないことになっています。
『JIS漢字字典』発刊から10年、その間『増補改訂』も発刊されましたが、訂正等はなされていないようです。
リファレンスとして絶対的ともいえる地位にある辞書なので、その経緯を含めた解説が望まれます。
引用文献
- 『JIS漢字字典』第1版第1刷(1997.11.25)
JIS C 6226:1978 第1刷(1978.1.1)国立国会図書館所蔵
正誤票(1978.11)国立国会図書館所蔵
正誤票(追加)(1981.3)国立国会図書館所蔵
ISO IR 42(1979.12.30)
参考
- 『増補改訂JIS漢字字典』(2002.5.31)
「Adobe-Japan1-6 Character Collection for CID-Keyed Fonts」(2004.6.11)
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